くじ付きの贈り物
お年玉くじの抽選日、茶の間には新聞を切り抜いた抽選番号が置いてあって
誰からともなく自分にきた年賀状とにらめっこがはじまります。
お正月特別のこの楽しみが生まれたのは1950年。
それは、ある男性の思いつきからはじまりました。
ある男 林 正治
1949年6月、大阪の郵政局に当時42才の林正治さんはいました。
“いた”といっても正治さんは別に郵政局で働いていたではなく、
大阪で洋品雑貨の会社を経営しており、
その日はあるアイデアを持ってきていたのです。
終戦から間もない日本は打ちひしがれた状態の中、通信が途絶えていました。
あの人は今どうしているだろう?
そんな思いがいろんなところにあったのでしょう。
正治さんは年賀状を復活すれば、
自分が元気であることも知らせれるし
もしかしてあの人の消息だってわかるかもしれない!
では、みんなが年賀状を書くにはどうすればいいだろう?
そこで、夢のある「くじ」をつけることを思いつき郵政局に掛合ったのです。
東京へ
大阪の郵政局で郵政大臣への紹介状を手にした正治さんは、
自分で制作したはがき、ポスター、をかかえて上京。
郵政大臣らに具体的な景品まで紹介しながら直接提案をおこないます。
局長さんはすぐに幹部を集め会議。
その結果はしかし、、、却下。
「おもしろい案だが日本は、今、疲弊して食べるものも食べられない時代。
送った相手にクジなんて、そんなのんびりしたことができる状態ではない。」
ということでした。
くじけぬ正治
正治さんはその後うなだれながらも友人の元をおとずれます。
この友人が実は郵政事務次官と知り合いであったことからあってみると
「それはいい!やろう!」。
これが7月のことでした。
そして、その年の12月1日に発売。
郵政省側でも低調気味だった郵便利用の増加を模索していたこともあり、
発案から半年未満というスピードで
お年玉くじ付き年賀はがきは生まれたのでした。
今年は誰に贈りましょう?